プリン体とは、そもそも何なのでしょう?
プリン体と一緒に使われるのが、「痛風」「尿酸」などのことばです。この3つの関係を知って手を打つと激痛から解放されるかもしれませんよ。
しかし、調べるにしても、いろいろな情報が飛び交い、専門用語も多くチンプンカンプンではないですか?
私はそうでした。^^;
そこで、誰にでもわかるように噛み砕いて説明したいと思います。
寒くなると痛風もさらに悪化する人もいるでしょう。プリン体と痛風、尿酸の関係を理解し健康体を維持しましょう。
プリン体といえば、グ○コの「プッ○ンプリン」を思い出す人も多いことでしょう。(わたしだけ?)
プリン体とは
プリン体とは、穀物、肉、魚、野菜など食物全般に含まれる成分で、主に旨みの成分にあたります。 通常、プリン体は分解されて尿酸に変化し体外に排出されますが、尿酸量が排出能力を超え、体内に蓄積されると痛風の原因となるといわれています。 ビールや発泡酒に含まれているプリン体は麦芽由来です。
引用:「プリン体」とはなんですか? サントリーお客様センター
www.suntory.co.jp/customer/faq/001691.html
つまり、こういうことです。
【登場人物】
プリンちゃん(プリン体)
尿さん(尿酸)
プリンちゃんは、みんな大好物の肉や魚や野菜などの中に住んでいます。
人間の世界ではプリンちゃんを食べると「うまい!」と感じます。
実はこの「うま味」成分がプリンちゃんの正体なんですね。
しかし、このプリンちゃんをいつまでも、体内にためておくわけにいかず、栄養になる量だけ貯めて残りは体外に追い出さないとダメなんです。
体外に追い出される時、プリンちゃんの「うま味成分」が尿さん(尿酸)に変身します。
尿さんの分身がたくさんできると、われ先にと、尿さん達が出口に殺到するもんだから、でるのが間に合わなくなるんですね。
それが原因で、体内に取り残される尿さんもたくさんいるんです。
そうすると、残された尿さんたちが、いじけて体内で悪さをするのです。この悪さが激痛を生み、いわゆる痛風になるんです。
おしまい!
どうでしたか?
プリン体、尿酸、痛風の関係がわかりましたか?
では、どうすればこの痛みを感じないですむか?というと・・・もうおわかりですね。
プリンちゃんを多く含む食べ物を少なくして、尿さんを体内に残さないければ良いわけです。とはいってもプリンちゃんは体内でも作られるんですね。
プリン体は、食べ物からの摂取量は20%、体内で作らるのが80%の比率なんです。体内で作られるということは、生きていく上で必要な化合物なんですね。
参考までに、食べ物に含まれる(100g中)プリン体含量は下記の通りです。
プリン体が多い食べ物(/100g)
レバー類 | 210〜320mg |
白子 | 300mg |
介類、エビ、イワシ、カツオ | 210~270mg |
干し物(マイワシ、マアジ、サンマ、煮干し) | 305~746mg |
ちなみに746mgは煮干しです。すごい含有量ですね。
もっと詳しく知りたい人は下記に一覧があります。
公益財団法人 痛風財団
http://www.tufu.or.jp/pdf/purine_food.pdf
痛風を発症して食事療法をする場合、プリン体の摂取量は1日上限400mgの制限があります。なので、煮干しなんては、もってのほかになります。^^;
プリン体は基本的に「うまい食べ物」に多く入っているので、ぜいたく病と呼ばれることもあります。
だからと言って、プリン体を全く摂らないというのは不可能です。なので、バランスの良い食事を心がけて、たまにうまいものを食べるというのが理想ですね。^^
それと、食べ過ぎ、アルコールの飲み過ぎは尿酸値が上がるので痛風はもとより、高尿酸血症になる恐れがありますので気をつけましょう!
痛風は遺伝と生活環境によるところが大きいと言われます。
では、痛風になる人は限られているか?というと、そうでもありません。
風が吹いただけでも激痛が走る痛風。「家系に痛風持ちがいないから大丈夫」とタカをくくっていると、痛い目に合う場合があります。
以下に痛風になる原因をあげておきますね。
これらが痛風の原因になります。
ただし、激しい運動は一時的に尿酸値が上がるので注意が必要です。
プリン体、尿酸、痛風の関係がわかってくると、「憎き尿酸!」と考えるようになります。
でも、ちょっと待ってください!
尿酸は確かに痛風の要因ではありますが、いい面もたくさんあるんです。尿酸には強力な抗酸化作用があり、これにより体内の活性酸素を制御します。
老化を防いだり肌をきれいに保ったりと、美容に効果があるのもこの抗酸化作用のおかげですよ。
また、逆に尿酸値があまりにも低いとアルツハイマー病などの原因にもなるんですね。
基本的に、わたしたちの体内で作られる物質には悪いものはありません。
問題なのは値なのです。
高くても低すぎても体に何らかの症状が出てきます。
体からの信号を見逃さず、適正値を維持していきたいものです。
アルコールと痛風の関係もよく聞きませんか?
痛風だからお酒飲めないとか・・・
これはアルコールにブリン体が入っているためなんですね。さらにアルコールには尿酸値を上げる働きがあります。
アルコールの中でもビールが一番プリン体を多く含みます。とは言っても、含有量は肉や魚に比べたら微々たるものですが・・・。
ただ、アルコールに含むプリン体は肝臓で分解され尿酸になります。そして肝臓から直接血液中に排出されるため、微々たる含有量でもバカにならないのです。
プリン体の含有量はアルコールの種類により違います。
プリン体の多い順番は次のようになります。
紹興酒>ビール>日本酒>ワイン>ウィスキー>焼酎
紹興酒が一番多く100ml中11.6mg、焼酎(25%)は0です。
焼酎はプリン体を含まないから、たくさん飲んでも大丈夫なんて思ったらダメですよ。前述したように尿酸値を上げる働きがありますからね。ご注意下さい。
では、アルコールの適量とは、どの程度をいうのでしょう?
厚生労働省、健康のための1日あたりの「節度ある適度な飲酒」は次の通りです。
今回はいかがだったでしょうか?
美味いものをたらふく食べて、暴飲暴食を繰り返していると間違いなく痛風になります。
適度な運動、適度な飲酒、バランス良い食生活などなど…聞き飽きたことばですが、やはり大切なことなんですね。
今回の記事で、痛風とプリン体、尿酸の関係が少しでも理解できたら嬉しいです。^^
参考文献:公益財団法人 痛風財団・厚生労働省