最近、とある有名人が書類送検され、その話題で持ちきりですね。ところで、書類送検や逮捕という言葉はよく見聞きしますが、正しく理解してますか?
自慢じゃないですが、管理人はよく理解してませんでした。^^;
なので、この際、書類送検や逮捕の違い、どのような流れで刑が決まるのか徹底的に調べてみました。
では、ここで問題です。犯罪を犯して前科者になるのはいつの時点でしょう?
書類送検と逮捕の違いは何?
よく聞く言葉で書類送検や逮捕というのがありますが、この2つの違いは何なのでしょう?
書類送検とは
書類送検(正しくは書類送致)とは、事件の捜査書類を警察側から検察側に送ることを言います。
被疑者が逃亡や証拠隠滅のおそれがない極めて低く、警察に身柄が拘束されていないことを条件に書類送検されます。
ここで、なぜ検察にわざわざ書類を送らなければならないのかとの疑問が出てきますよね?
管理人は、いちいちお送らないで警察側でやれば、時間短縮にもなるし、効率的なのでは?と思ってしまいます。
しかし、これは日本の法律上、警察でだけでは処理できない問題なんですね。警察官、検察官、裁判官が絡んで最終的に刑を決定することができるシステムなんです。
ただ、刑事事件については、警察よりも検察のほうが権限があるんですよ。
どのような権限かというと、刑事裁判、起訴の有無を決めることができるのが、唯一検察官なんですね。
この権限は、刑事起訴法 第247条、及び248条でしっかり定められています。
参考
起訴とは、容疑者を刑事裁判にかけること。 |
逮捕とは
逮捕とは、罪を犯したであろう人物(被疑者という)の身柄を拘束することを言います。
逮捕には現行犯逮捕と、通常逮捕(裁判官が発行する逮捕状による)の2種類あるのですが、時間の関係上、身柄拘束してから逮捕状を受ける場合もあります。
これを緊急逮捕といいます。
書類送検との違いは身柄の拘束です。
罪を犯したであろう人物(被疑者)が、逃亡や証拠隠滅の恐れがある時に身柄を拘束されます。
また、逮捕は警察官でも検察官でもすることができるんですよ。
知ってましたか?
警察官が逮捕した場合は、48時間以内に検察庁に送るか、または釈放するか決めなければなりません。検察側に送った場合は、こんどは検察官が24時間以内かつ、逮捕から72時間以内に勾留請求しないと釈放されます。
検察官が逮捕した場合は、逮捕から48時間以内に勾留請求しなければ釈放になります。
なんか、ややっこしいですね。^^
警察側と検察側に手落ちがあって時間オーバーした場合は本当に釈放されるんでしょうかね?
ちなみに、勾留と拘留という似たような言葉があります。
勾留と拘留の違い
勾留とは、被疑者または被告人が逃亡や証拠隠滅のおそれがあるときに身柄を拘束し刑事施設(刑務所・少年刑務所・拘置所等)に留置させる事を言います。
また勾留請求というのは、捜査や証拠の裏付けに時間がかかる場合、裁判官にその許可をもらうことをいいます。
また、拘留とは、刑事罰のひとつで1日以上30日未満刑務所に入ることをいいます。
事件発生からの刑事処分までの流れ
事件発生後、現行犯または通報により、警察官、検察官が捜査し、疑いがある人(被疑者)を特定します。
↓
被疑者の立場により逃亡や証拠隠滅のおそれが極めて低い場合は、逮捕せず、書類送検されます。現行犯や令状(逮捕状)により逮捕された場合は、身柄を拘束し、48時間以内に取り調べが行われて捜査書類や証拠を一緒に身柄を検察側に送検します。
これを身柄送検といいます。
↓
その後、検察側では24時間以内に、起訴、不起訴処分を決定します。ただ、検察側が24時間では判断できない場合、最大20日まで延長できる勾留請求を裁判所に請求し、その期間中に判断します。
↓
そして、起訴されれば裁判が行われ刑が言い渡されます。証拠不十分などで不起訴の場合は即時釈放されます。
書類送検も逮捕も前科者になるの?
書類送検の段階では前科者にはなりません。
なぜなら、まだ起訴か不起訴かも決まっておらず、ましてや裁判の判定も下されていない状況だからです。
ここで、前科の説明をしておきますね。
前科と前歴の違い
前科とは、検察官により起訴され、なおかつ裁判で有罪の判決が言い渡されたときに、この時点ではじめて「前科」がつきます。
逮捕されただけでは、前科はつかないんですね。
すなわち、前科の決め手は、裁判の判決なのです。
もちろん裁判で無罪確定した場合も、前科はつきません。
ただ・・・
前歴はつきます。
これは書類送検でも同じなんですが、前歴として一生残ります。
前歴とは捜査、供述資料が作成されたかどうか(調書の有無)を示すもので、次に何かあったときに警察で参考にする程度です。
これを書いて思い出しましたが、管理人にも前歴はあるんですね。^^;
昔むかし、そのむかしですが、友人宅がちょっと大きな事件に巻き込まれ被害を受けたんです。
1ヶ月以内だったか1年以内だったか忘れましたが、その期間中に家に入った友人の指紋を取るとのことで、指紋と事件当時のアリバイ?を聞かれた経験があるんです。
これもれっきとした前歴なんですね。アチャー。
まとめ
- 書類送検は身柄拘束されず、捜査書類等を検察庁に送ること。正確には書類送致。
- 逮捕は身柄拘束される。後に身柄と捜査書類を検察庁に送られる。身柄送致
- 前科は裁判で有罪が言い渡されたときにはじめてつく。
- 前歴は捜査、供述書類を作成されたかどうかで決まる。
今回は書類送検と逮捕の違いについて紹介しました。参考になりましたでしょうか?
最近、人気グループの1人が強制わいせつ罪で書類送検さたとの衝撃的なニュースが流れました。
書類送検や逮捕、前科、前歴の意味がわかると、いままで以上にニュースがよく理解できるようになりますよ。
参考文献:裁判所
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