重曹は食べ物に使うものから掃除、臭い取りに使うものまで使い方も様々でとても便利なアイテムですよね?
重曹を使う際、種類や用途によってどんな重曹を選べばいいのかご存知ですか?
私はよく理解してなくて使う時になって「これでいいの?」みたいな感じでした。
そこで今回は重曹の種類や用途などを調べてみましたのでご紹介します。重曹を大雑把に捉えている人は参考になるかと思います。
重曹の種類と違いは?
重曹には、薬用、食用、工業用(清掃用)の3種類があります。では、どのようにして3種類に分けられるのでしょう?
それは、重曹がどの程度精製してあるかで区分けされるんですね。
精製(せいせい、英語表記:refining)とは、混合物を純物質にする工程、あるいはその技術。化学的に合成した化合物や、抽出などにより得た化合物は、多くの場合いくつかの化合物の混合物であるため、単一で純度の高いものにするために精製を行う。
引用:wikipedia
ひとつひとつ見ていくことにしましょう。
薬用の場合
ほとんどが精製され純度が極めて高く値段も高いです。粒子のキメは細かいのが特徴です。
薬として使用するのが目的で胃酸過多症など、胃酸を中和させ症状を改善させるために使われます。
参考大正製薬 http://www.taisho.co.jp/
食用の場合
口に入れるものや人体に関わるものに使用します。粒子は薬用ほど細かくありませんが細かい部類には入ります。
食べ物のアク抜きやお菓子作りのベーキングパウダー(ふくらし粉)の代用としても使われます。また、植物やペットにも害はなく安心です。
工業用(清掃用)の場合
ほとんど精製されてなく、キメが粗いです。
主に臭い取りや研磨剤、掃除に使用されます。
重曹の正体はいったい何?
よく、「重曹は便利でスゴイ!」といわれますが、そもそも重曹とはなんぞや?って話ですよね?
重曹の化学名は炭酸水素ナトリウムといいます。その名の通り、炭酸、水素、ナトリウムからできている化学物質なんですね。
炭酸水素ナトリウム
化学式 NaHCO3 。重曹,重炭酸ソーダ,重炭酸ナトリウムとも俗称される。無色透明の結晶あるいは白色塊状または粉末状物質。熱すると約 300℃以上で分解し,炭酸ナトリウムに変る。水に可溶,アルコールに難溶。水溶液は微アルカリ性を呈する。アンモニアソーダ法で炭酸ナトリウムを製造するときの中間体として重要である。
出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
重曹は弱アルカリ性であり殆どの汚れが酸性です。この酸性を重曹の持ち味でもある中和作用を利用して汚れを落とします。
これが重曹で汚れが落ちる原理なんですね。
しかし、酸性の汚れは中和させ落とすことができますが、アルカリ性の汚れには効果がありません。
では、次に重曹の効果的な使い方を見ていくことにしましょう。
重曹はどんな時に使える?種類別用途は?
重曹ほど様々なシーンに使える化学物質も珍しいですよね。それぞれどんな使い方があるのか紹介しますね。
掃除(食用・工業用重曹)
重曹の研磨作用を利用して汚れを落とします。
ただし、重曹は傷がつきにくいといっても、ステンレスや柔らかいプラスチックは傷が付く恐れがあります。
なので、目立たないところで試してから使用する方がいいでしょう。
重曹を水に溶かしてしまうと、研磨作用はなくなってしまいますので、研磨剤として使用する時は注意して下さいね。
料理(食用重曹)
食材のアク抜きに使用したり、炭酸を作ったりすることができます。またお菓子などを作る際、ベーキングパウダーの代用品としても使用できます。
薬品(薬用重曹)
医薬品としての胃酸過多症などに効果が期待されます。
美容(食用重曹)
重曹の発泡作用を利用して炭酸水や炭酸風呂などに使用できます。現在販売されている入浴剤の成分表を注意してみて下さい。炭酸水素ナトリウム(重曹)と書いてあるものもあります。
アルカリ成分には、肌を柔らかくする作用があり肌の汚れや古い角質を落としてくれるのです。
ただし、敏感肌の人は予め目立たないところで試してから使用した方がいいですね。
脱臭(食用重曹)
体臭や加齢臭、口臭、生ゴミなど臭いのほとんどが酸性で、アルカリ性の重曹を使うことにより中和され臭いを取ります。もちろん足の臭いにも効果的ですよ。
また、重曹を小皿に盛りトイレや下駄箱に置いておくだけでも脱臭効果が得られます。
農薬落とし(食用重曹)
発がん性のある農薬は体に入れたくないですよね。^^;
水だけではなかなか落ちない農薬も、重曹を使うことにより落とすことができるんです。
やり方は簡単です。
ボウルなどに水を入れ重曹をひとつまみ程度(大体でいいです)入れ、野菜を浸けます。ゴシゴシやらなくても大丈夫です。
注意するのは、あまり長い時間浸けすぎると栄養分も落ちてしまいます。なので、柔らかい葉野菜等は2,30秒くらいを目安にするといいでしょう。
その後、浸した野菜は水で流さなくても体に悪くないですが、気になるようでしたらサッと水で流します。
また、霧吹きに水と重曹を入れて直接野菜や果物にスプレーする方法もあります。
食事後の食器洗い(食用重曹)
農薬落としで使った重曹水を食器洗いに再利用できますので、捨てないで取って置きます。
汚れた食器を農薬落としに使ったボウルに浸しておくと、汚れが取れやすくなるんです。今度は農薬落としの時とは違い、浸す時間の長さは気にしなくて大丈夫です。
湿気取り(食用・工業用重曹)
重曹は湿気を吸いとりやすいので、タンスや下駄箱に入れて湿気取りにも利用できます。
歯磨き(食用重曹)
食用の重曹を歯磨きとしても利用できます。ただ重曹の粒子によって歯のエナメルを削ってしまいますので、毎日の歯磨きには向きません。
週1,2回くらいがいいでしょう。また、歯ブラシは使わず(使う場合は柔らかいもの)指先でやさしく撫でるようにするのがコツです。
重曹は、かなりしょっぱいですので、塩分が苦手な人や塩分を抑える必要がある人は注意して下さいね。
まとめ
- 重曹には精製の違いにより薬用、食用、工業用(掃除用)の3種類に分けられる
- 重曹は化学名は炭酸水素ナトリウム。重炭酸ソーダとも言う
- 薬用、食用重曹は掃除にも使えるが工業用(掃除用)は薬用、食用の代わりにはならない
- 重曹は利用範囲が広い
- 目的に合わせた重曹を使うのがコツ
今回はいかがだったでしょうか?
重曹はとても便利で利用範囲が広いです。食用の重曹を常備していると何かと役にたつこと間違いなしですね。^^
ちなみに100均で売っている重曹は、ほとんどが工業用(清掃用)ですので注意してくださいね。購入の際は食用か掃除用(工業用)か、必ずパッケージをみて確認しましょう。
参考文献「やっぱり重曹はスゴイ!」主婦と生活社
「重曹超簡単ナチュラル暮らし」 佐光紀子著
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